◎前置き(重要)
この記事は2020年8月以前に書かれたものです。長年放置してきましたが、だいたい完成しているし、下書きをすべて整理したいので、整理がてら公開します。
以下の2点にご注意ください。
1.2020年8月以前の情報しかありません
当時はまだカブルーがミスルンとダンジョンに潜っている最中で、そこまでの情報だけで書いています。
2.英語圏の「ライオスはASDである」という解釈とは無関係です
英語圏(Redditなど)ではライオスは「autistic-coded」で、作者がライオスをASDの人間として描いたという解釈が一般化しています。2024年の九井諒子への海外のインタビュー記事でもそれを前提とした質問があるぐらいです。しかし、それらの解釈が一般化したのはアニメ化以降で、これはそれ以前に書かれています(2020年に投稿していれば、「先駆者」ぶれたかも?残念!)
(ここから始め)
「サイコパスじゃない、彼は『純粋すぎる』だけなんだ」
サイコパスだの何だの言われる『ダンジョン飯』のライオス。でも、最近読み返してみてふたたび確信した。彼はサイコパスなのではなく、極めて純度の高いアスペルガー的気質の持ち主なのではないか、と。
今回は、「ライオス、ここがアスペっぽい!」ってなところをまとめてみました。
・空気が読めない
ライオスは空気が読めない。「空気が読めない」というのは、アスペルガーを象徴する特徴だ。
ライオスがシュローと喧嘩するシーンでは、ライオスが常日頃から空気の読めない人間であることが伺える。ライオスはその察する能力の低さからシュローには苦手意識を持たれていたが、シュローと良好な関係を築けているとあさってな勘違いをしているところが、まさにアスペルガー的だ。このシーンで、シュローは「大体の人間なら気付く程度には伝えてたわ!」と叫ぶが、ライオスがアスペルガーだとすれば、「大体の人間ではない側の人間」。察してくださいムーブは効果的ではない。
ところで、だいたいの読者は日本人なので、日本人的な感性から「ライオスの察する能力のなさが悪い」と断じてしまいがちだと思うが、シュローの方にも少し問題がないとも言い難い。ライオスが空気の読めないアスペルガー的な人間だと気づいていたのなら、もっと言葉で伝える努力をしても良かったのではないか。もし、眠いときにライオスが話しかけてきてうっとうしいのならば、「眠いからまた明日にしてくれ」と言葉に出して伝えれば、ライオスは「そうか、また明日聞かせてくれ!(笑顔)」と素直に引き下がってくれただろう。ひとは「大体の人なら~」「普通の人なら~」と自分の尺度から他人を断じがちだが、人の数だけコミュニケーションの形もある。シュローもライオスという人に合わせたコミュニケーション方法を取る努力をすべきだ。(その人の妹が嫁に欲しいのなら、なおさらだ)
もっとも、そうしたところがシュローの「未熟さ」なのかもしれない。シュローはいわゆる「いいとこのぼっちゃん」で、マイヅルなどの周囲の人間から、言わずとも察してもらえる環境で育ったことは容易に想像できる。そのため、言葉に出してはっきり伝えるという努力をしてこなかったのかもしれない。彼の受動的な態度は、その辺りの未熟さの表れとも取れる。
この後、ライオスとシュローは殴り合った後に仲直りする。それは、そこで発せられた言葉が本音の言葉で、「察して」ではなく、お互いの本音をぶつけあうというコミュニケーションが成立したからだろう。
・失言が多い
前項と似ているが、アスペルガーは失言を犯しがちである。失言というのは、「場の空気を読めていない」「相手がその発言をどう受け取るかまで想像できていない」ということから起きる。
聖水を使ったシャーベットの回以外にも、スライムを食べているときに寄生したスライムの話をしたり、食人植物につかまったマルシルに「気持ち良かったか?」と聞いたり、オークの長に妻に欲情したと誤解される発言をして怒られたり、辛い思いをしたマルシルに労いの言葉をかけるよりも先に変なことを聞いたり…とライオスは頻繁に失言をしている。
また、聖水回での失言のあとの「ファリンがいれば~」からは、ファリンが日常的に兄ライオスの失言をフォローしていただろうことが伺える。こうした「言わなくてもいいことを言わなくても良い場面で言ってしまう」というのはアスペルガーの大きな特徴である。
・社交辞令を真に受ける
ライオスは「言外の意味」をくみ取ることが苦手なので、言葉上の意味や社交辞令を鵜呑みにしやすい。たとえば、カブルーの魔物食に興味があるという社交辞令を真に受けて、カブルーが実は絶対に食べたくない魔物を食べさせようとした。表情などのノンバーバル(非言語)な部分でカブルーがそれを拒否しているのは明らかだが、アスペルガーであるライオスはそれに全く気付かない(気づこうともしない)。
・騙されやすい
アスペルガーの人間は、通常、騙されやすい。現に、ライオスは病気やケガでリタイアした仲間に、儲けのほとんどをだまし取られている。これはアスペルガーの人間に「察する」という能力に乏しいことから来ている。
ライオスから金銭をだまし取った元仲間は、のちにナイトメア回等でも登場するが、見るからに人相が悪く、悪事を働いていそうな風体をしている。アスペルガーでない普通の人間ならば、彼らの人相を見て、「この人のいうことは信用ならない」等のいわゆる偏見をもってかかる。一方で、アスペルガーは前述したとおり、ノンバーバル(非言語)なところからそうした情報を察する力が弱いので、そういった人たちにも偏見なく接してしまう。また、不自然なところがあっても、気づきにくい。これが騙されやすさに繋がる。
カブルーは騙されたライオスに対して、「彼らは善人なわけじゃない。人間に興味がないだけだ」「ライオスは人間に興味がない異常者だ」という評を下している。これは「普通の人間はああいう人相の悪い人間に騙されない、ああいう連中に騙されてしまうのは善悪というよりも、人間がどういうものかという興味ないのだ」という理屈で下されたものだろう。
しかし、その「普通は」が通用しないのがアスペルガーであり、アスペルガーであるライオスの特徴だ。そして、カブルーの評は間違っていて、ライオスが善人であることを読者は知っている。カブルーの誤解は、ライオスが「通常の一般の人間なら、備わっているべきとされる観察眼に欠けている」、つまり、ライオスがアスペルガーであるということを、その観察眼が他人より発達しているカブルーの方が逆に想像できないことから来ている。
・社会的にみて異常なことに興味を持つ、社会との感性のズレ
アスペルガーの者は、社会的に見て異常な事柄にも、興味や趣味を持ちやすい。この点については、サイコパスと混同されやすいが、似て非なることなので、後で述べる。
・外見に無頓着
ライオスは外見に無頓着である。ファリンがドラゴンに食べられて以降の時間軸では常にきちんとした身なりをしているが、回想でのライオスはそうではなく、特にファリンを魔術学校から連れ出す一コマは浮浪者のような恰好をしていた。これもアスペの者にありがちだ。
通常の健常なる人は、一般的に外見にとても気を遣う。なぜなら、ひとは一般的にはまず外見で他人を判断し、身なりから「察する」のであり、もちろん、自分も他人からもそうされるのを分かっているからだ。一方で、アスペの者は、人からどう見られるかということに想像力が働きにくいので、外見に無頓着になりがちだ。下手をしたら臭いにも無頓着になり、ろくに風呂に入らない、ということにもなりうる。
そのわりに今はしっかりしているのは、きれい好きなマルシルと一緒にいられるように、妹ファリンとライオスが努力したのかもしれない。
・社会に上手くなじめない
社会性、コミュニケーション、想像力に難があると、社会からは疎外されやすい。アスペルガーは空気が読めなかったり、失言が多かったり、外見に無頓着であったり、と様々なことが原因となって、社会から排除を受けやすい。集団生活が絶対に必要となった現代で、アスペルガーが問題になる原因の最もたるものである。
まとめ
以上、ライオスのアスペルガー的なところを列挙した。
どう考えてもライオスはアスペルガーかそれに近いグレーゾーンだと思うのだが、いかがだろうか?












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