Slot & dungeon
個人的には、あまり刺さらず。その理由は、1.スロットにあまり魅力を感じない、2.目押しが全くできないからしたくない、というところ。目押しなしのナイフよりも目押しありの大剣が強いので、結局、大剣で目押ししていくゲームになりがちかな、と思った。
ただ、個人的に好みではなかっただけで、出来自体は良いと思う。
One Turn Kill
話題になったカードゲーム。
タイトル通り、「1ターンでキルしなければならない」。できなければ即敗北だ。ユニークなのが、「コスト=ドロー枚数」というシステム。コスト3のカードなら、3枚引く必要がある。通常のカードゲームではカードをドローすればするほど有利になるが、本作ではその価値が逆転している点が斬新だ。デッキが尽きた後のシャッフルはないため、残りのデッキ枚数がそのままマナ残量になる。
個人的な攻略としては、中盤までは「過負荷カードなどを基本攻撃カードに変換し、そこに攻撃力アップのバフを重ねたうえで一気に攻める」という戦略を取っていた。しかしこの方法では行き詰まり、終盤は“ボクシング”を始めることで(!)、一気にラスボスまで突っ走ることになった。
最近はロープライスでも異常なほどのボリュームを持つゲームが多く、それに慣れてしまったせいか、クリアしたときは少し物足りなさを感じた。ただし、価格を考えれば内容は十分に見合っているだろう。
The Last Starship
名作『Prison Architect』を生み出したスタジオの最新作。
宇宙船を自分で設計し、輸送・採掘・ガス収集・戦闘などを行うシミュレーションゲームだ。
採掘専用船やガス収集船、産業施設を詰め込んだ船などを自由に設計でき、自分で考えた構成が機能したときの楽しさはしっかりある。試行錯誤しながら船を作り上げていく過程は、なかなかに楽しい。
一方で、気になる点もいくつかあるので、以下に挙げる。
・翻訳のクオリティが低め
最近ではあまり見かけなくなった、「だいたい意味は分かるが、ところどころ意味不明になる」タイプの翻訳が目立つ。日本語未対応よりはましだが、UIにも不自然な表現が残っており、手探りで理解しながら進めなければならない場面がある。
・世界の広がりを感じにくい
基本的に、最初に提示される一枚のマップがほぼすべてで、世界の広がりに欠ける印象を受ける。シナリオによって行けるエリアが増減することはあるものの、同じ場所を往復するだけになりがちだ。
「宇宙」というテーマから期待するスケール感は薄く、狭いエリアをぐるぐる回っている感覚が強い。たとえば『StarSector』のような宇宙ゲームと比べると、その差はかなり大きく、箱庭感が「宇宙」という題材と噛み合っていない。
・シナリオの物足りなさ、未完成感
メインシナリオ自体は存在し、海賊船の追跡や宇宙生物の繁殖調査、ブラックホールに囚われた人物の救出など、題材は悪くない。しかし、ある程度進めると唐突に終わってしまう。極端に短いわけではないが、もう一段階欲しかったと感じる内容で、消化不良感が残る。
一方、産業要素には可能性を感じる。『Factorio』のようなコンベアやローダーが存在し、自動化も視野に入る。産業関連のシナリオでは要求される工程がそれなりに複雑で、ここはやり込みの余地がありそうだ。
また、宇宙船を手動操作できたり、他の船とドッキングできたりと、「宇宙もの」ならではのロマンを感じられる要素も用意されている。
「あの名作を作ったスタジオの新作」という期待値で見ると肩透かしに感じる部分はある。底の浅さや広がりのなさは否めないが、このジャンルのゲームとして見れば、全体的にはそこそこの出来だと思う。
三国志8Remake with PK
KOEIの『三國志』シリーズ最新作であり、『三國志8』のリメイク作品。
本シリーズには、『三國志14』のような「君主プレイ」の系統と、『三國志13』のような「全武将プレイ」が可能な系統の2つがあるが、本作は後者にあたる。
そのため、純粋な戦略シミュレーションというよりは、戦略ゲームを下敷きにした「三国志世界を舞台とするロールプレイングゲーム」を楽しむ方向性の作品となっている。
この作品の良いところを3つ挙げる。
・圧倒的なボリューム
シナリオは三国志の全時代を網羅し、ほぼ1年刻みで50以上用意されているため、好きな時代・局面から遊び始められる。
登場武将は1000人以上にのぼり、全員に固有グラフィックが用意されているのはさすがの一言だ。女性についても、架空の娘キャラクターが8人追加されており、過去作で問題になりがちだった「時代によっては結婚相手がいない」という点が解消されている。このあたりは、ややギャルゲー的な味付けとも言える。
また、列伝の内容も充実しており、出会った人物の列伝を読むだけでも楽しい。たとえば「陣地が鹿に壊されたことが原因で討死した人物」など、思わぬ発見があって読み物としても面白い。
・ 人間関係と連携システム
武将同士の絆は「相生(共鳴)」として相関図で可視化され、平時には連携ボーナス、戦闘中には強力な連携攻撃が発動する。
これにより、単なる能力値だけでなく、「誰と関係を築くか」というロールプレイ的な戦略性が生まれ、お気に入りの武将と自分だけの人脈を作っていく動機付けになっている。
・「宝珠」システム(PK追加要素)
PKで追加された「宝珠」によるスキルツリーで、時間をかければ、どの武将でも着実に成長させることができる。悪漢ツリーで暗殺に特化するも良し、武人ツリーで一騎打ちの達人を目指すも良し、一般武将ツリーで地道に能力値を伸ばすも良しと、ロールプレイに華を添えてくれる。
逆に、悪いところは次の3点だ。
・戦略ゲームとしてのバランスの弱さ
本作はあくまでロールプレイング寄りの作品であり、戦略シミュレーションとして見るとバランスは甘い。最善手を選び続ける効率プレイをすると、難易度が一気に下がってしまう。
たとえば、強力な武将と義兄弟になれば容易に引き抜きが可能で、連携攻撃もゲームバランスを壊しかねないほど強力だ。さらに、修養や鍛錬を続ければ、宝珠システムの影響もあり、どんな武将でも超一流に育ってしまう。
そのため、史実に即した人間関係に縛るなど、プレイヤー側でロールプレイ的な制限を設ける工夫が求められる。効率最優先のプレイを楽しみたい人には、あまり向いていない。
・繰り返しが多く、リプレイ性に欠ける
武将との交流やイベントはパターンが少なく、繰り返しが目立つ。どのプレイでも交流、戦闘、育成の流れは大きく変わらないため、1周目は楽しいが、2周目以降は新鮮味が薄れていく。
特に、子ども関係の繰り返しの多さは残念。子どもは本来ロマン要素なのだが、ひとたび子どもができると同じような子育てイベントが10年以上にわたってずっと現れてテンポが悪くなってしまう。
・発展性の無さ
KOEI作品全般に言えることだが、PK発売後は大規模なアップデートが期待しにくく、MODによる拡張もない。単調さを改善すれば化けそうな要素が多いだけに、この点は惜しい。
全体として、本作は「戦略シミュレーション」としての深みよりも、「三国志の世界で一人の武将としてどう生きるか」というドラマ体験に特化した作品だ。総じて、特定の武将に肩入れして「自分だけの三国志」を楽しめる人に向いている。
私は、けっこうそのタイプなので、特に1周目はかなり楽しめた。
私の初回プレイでは、臧覇という、徐州の賊から曹操の配下になった人物を選んだが、これがめっぽう楽しかった。彼はゲーム的には呂布の配下になっているが、実質は独立勢力の頭領であり、なんと呂布を撃退したこともあるツワモノだ。彼をプレイヤーキャラに選び、呂布滅亡後にその残党を引き連れて賊になるというロールプレイをした。
脳筋ゴリラの呂布の娘を一騎打ちで「わからせて」嫁にしたり、呂布を亡くして傷心の貂蝉もついでに配偶者にしたり、配偶者にしたわりには会話が全然弾まずに「呂布に操を立てている貂蝉」の感じが出たり、たまたま出くわした司馬懿をスカウトしにいったらかなり相性が良くてすんなりと仲間に出来たり、「悪の娘」と呼ばれる孤児も配偶者という形で保護したり、戦場で劉備と出くわして何故か恨まれる関係(相克)になったり…。
最初はただの賊だった臧覇軍も、クリアする頃には大勢力とすら正面きって戦える華やかなメンバーとなっていて、達成感もひとしおだった。相関図も賊が似合う義理が低く悪人が揃っているのが良い。
このように、三国志でのロールプレイを楽しむ、というのにはとっておきの作品だ。
ギルド探求団へようこそ!
インタビューや事件記事を元に各パーティの構成、生死、ランクを推理する論理パズル。(休憩時間も込みで)6時間ぐらいで全クリ。クリアした時はもっとこの世界に浸っていたかったと思った。解くのが気持ちよかった。
日本語で作られた日本人のための特定ゲームだというのが嬉しい。『Return of the Obra Dinn』以来、文章を読んで情報を特定するゲームは海外でも作られているが、このタイプのゲームは言語依存度が高いから、よっぽど翻訳がしっかりしていないと日本人には向いていない。日本語で日本人の感覚にあった質の高い特定ゲームは希少で、ありがたい。
公式を見たら、すべて解くまでに3~5時間と書いてあって、そんなに早く解けるのかと思ったが、自分の場合、けっこう重要な情報に最後まで気付かなかったため、そこに気付けるかで大きく分かれると思う。(その匂わせは確かにあったが、現在に至るまでに欠落したのかと勘違いし、他の要素からその要素を判断するのも推理要素だと勝手に思いこんでしまった)
ただ、それに気付かなくてもだいたい候補は絞れるし、システム的に総当たりできるから、私のように重要な情報に気付かないままクリアすることも可能で、そのおかげで全体的な難易度はそんなに高くないと思う。
しかし、クリアして思うけど、このギルド、どう考えてもブラックギルド!
消えたリリーと呪いの館
『ギルド探求団にようこそ!』と同じ作者による、特定系の推理フリーゲーム。事前に「ホラー要素あり」「驚かせ要素あり」と注意書きがあるが、ホラー要素はかなりライトでホラーゲームではない。
本作を知ったきっかけはSteamのレビューで、「『消えたリリーと呪いの館』と同程度の難易度」と評されていたことだ。『ギルド探求団~』が面白かったため、本作もプレイしてみることにした。
物語は、少女たち(と彼女たちを助けに向かった大人)が魔物に誘拐されたところから始まる。主人公はリリーの父。魔物をワンパンできるゴリラだ。館にたどり着いて魔物を倒すものの、少女たちはすでに魔物へと変えられてしまっている。しかも、人間に戻す薬は一つしかない。そこで主人公は、記憶を一部のぞき見る能力を使い、魔物たちの正体を特定し、その中から娘リリーを見つけ出そうとする――という設定だ。
プレイしてまず驚いたのは、RPGツクールMV製でありながら動画が挿入されていること。しかも後から見返すことができ、シークバーまで備わっている。人物リストやメモ機能も搭載されており、推理を補助する仕組みが丁寧に用意されている。MVでここまでできるのかと素直に感心した。
推理面は『ギルド探求団』同様にしっかりしていて、動画内の情報やリストの内容を丁寧に拾っていけば、きちんと論理的に解ける構造になっている。前作で見落としていたギミックも登場するが、今回はすぐに気づくことができた。トリックも、種明かしを聞けば「なるほど」と納得できるもので、意外性と説得力のバランスが取れている。
自分のプレイでは、すべて明快に理解できていたわけではないが、ノーヒントでトゥルーエンドまで到達することができた。真実から見え始めてから振り返ってみれば、(以下、ネタバレのため白文字)最初の動画のセールスマンの言動は、確かにおかしい。第一声が「お父さんかお母さん、いますか?」だが、なぜかそこに子どもがいること前提で話しかけている、親が不在かどうかを確認しようとしている。プレイヤーが序盤に見る情報に秘密が隠されていて、後から見ると別の意味が見えてくるというのは定番だが、やっぱりおもしろい。
フリーゲーながら、楽しめる作品だった。
鏡のマジョリティア
「まったくルールがわからないカードゲーム」のルールと、「まったく聞いたことのないカードゲーム用語」の意味を推理していく推理ゲーム、かつカードゲーム。フリーゲーム。『ギルド探求団~』、『消えたリリーの呪い~』と同じ作者。
まず、アイデアが素晴らしい。カードゲームのルール把握の過程をまるっと推理ゲームに仕立てたのは斬新。途中で自動化されるまでは、どこに何のカードを出すのか、どのボタンを押すのか、それすら分からないし、本当に探りさぐり未知のゲームに挑戦するワクワクが楽しめる。
また、この作者の他のゲームもそうだったが、推理補助が優れている。右に未知の単語一覧が表示され、そこにはメモできるし、過去にその単語が使われたところだけ表示させることもできる。途中で、ノートというゲームのルールを描いたイラスト付きノートが解放され、そこの空欄になっている部分に単語を当てはめて、情報を整理させるのも上手い。ノートを埋めていくこと自体に楽しみがあり、プレイヤーの自然な情報整理にもなっている。
推理以外にも、ふつうにカードゲームとしても楽しめる。このカードゲームは、積み込みというイカサマができてしまうゲームだが、そのイカサマを前提として、相手の手に合わせてどうデッキを組むかということも論理パズルとなっている。
カードにもちょっとストーリーがあって、カードを集めていくと隠されたストーリーが見えてくるのも一興。例えば、「新人冒険者ガゼル」というカードがあるが、彼が成長した姿のカードも他にいくつかあって、裏にあるストーリーを感じさせてくれる。
これもまた楽しめた。これはフリーゲームなのだが、『ギルド探求団~』よりもボリュームがあったと思う。
決戦前のヒトリ
『ギルド探求団~』、『消えたリリーの呪い~』と同じ作者のフリゲー。カップル推理ゲー。
テーマは新規性があって良いと思うが、同作者のかなり昔の作品だけあって、前述3つほどではなかった。なぜか、と作者の後の作品と比べて考えてみると、次のようなことかと思う。
1.推理の難易度が低く、すぐ終わる
2.UIのオリジナリティが他の作品に比べてそこまでない
1については、3周目で全部当てられた(1周は演出なので、実質2周目)し、探索でヒントを見つけたらすぐ分かってしまう。2はツクールそのままの部分が多く、他に比べて目新しさがない。
逆に言えば、この作者の他の作品は推理部分がしっかりしてるし、推理補助などのUIも独自性があって優れているところが素晴らしいんだな、と思った。