NTR（ネトラレ）の分類 メモメモ

FANZA「同人に関する統計調査2018」より

　NTR（寝取られ）。それはエロの世界において人気を誇るメジャージャンルである。そんなNTRについてのちょっとしたメモ。




●NTRの定義
　NTRはネトラレ、ネトラセ、ネトリと様々な意味を持つが、ここではネトラレに限定する。「自分の好きな異性が他の者と性的関係になること」や、それを描いた創作のこと。

●主人公の性質
　「主人公」という割には、その個性や人格はさして重要ではない。なぜなら、NTRにおいての主たる題材は間男と女の行為であり、主人公がメインの物語では無いからだ。NTRの主役は第一にNTRを受ける女であり、その次に女を寝取る間男。主人公は主人公にしてモブだ。

　そのため、目無しで描かれることが多い。これは主人公の存在感を薄くし、物語の受け手が主人公の立場に入りこみやすくする工夫だろう。NTR物語の真の「主人公」は、主人公に憑依する物語の受け手なのかもしれない。

　「ネトラレ」ではなく「ネトリ」であると、NTR被害者の役割の男性はそもそも劇中に登場しないこともある。（例・『妻みぐい』で単身赴任中のヒロインの夫）

●女の性質

千差万別なので、何とも言えない。

　主人公と女が夫婦であるなど相思相愛の場合には、女は貞操観念が強い傾向にある。ただ、物語の都合と作り手による物語の展開のさせ方によっては、貞操観念が崩壊しているとしか思えない奇矯な言動に走ることも多々ある（例・間男との関係を断つために絶頂したら負けのSEX勝負を持ちかける『外道勇者一行』）。

　また、主人公と女が夫婦関係などになく、妹などの血縁関係である場合で無知シチュのNTRなどになると、そもそも貞操観念がない場合もある。

●主人公と女の関係
・配偶者、恋人
主人公と相思相愛関係にある。
・片思い、恋人未満
主人公の片思い。相思相愛の関係が成立していない。
・血縁関係
主人公から見て、NTR対象の女が姉、妹、母、娘などの血縁関係にある状態。
・その他
知人、仲間など。

　この中で多いのが、最初に挙げた「主人公と女が相思相愛の関係」で、相思相愛状態から寝取られるのが、NTRの王道と言える。

●間男の性質
・ヤリチン、チャラ男系
恋愛技術、性的な技術の面で卓越している男。性行為目的で女に近づくものの、根本的には女を大事にしないことが多い。髪を染めていることが多い。
・権力者系
権力や金銭によって寝取りに及ぶ男。一般的な権力者でなくとも、警官、教師、軍隊の上官など、職務上の権限を悪用して事に及ぶタイプも含む。
・体育会系、ゴリラ系
粗暴で性欲が強い男。オラオラ系。陰茎が異様に巨大に描かれることが多い。
・キモ男系（オタク、汚らしいおっさん等）
外見が非常に醜い男。前述のゴリラとは逆に、陰茎は短小であったりする。
・イケメン超人系
容姿が良いなど主人公を上回っている男、かつ女に対して愛情のある男。客観的にみて、「女は主人公と結ばれるより、この間男と結ばれる方がいいだろ」と思わせるようなタイプ。ヤリチン、チャラ男系もイケメンで出世していたりもするが、彼らとの違いは女性をどう扱うかで、この点によってNTRの方向性がやや変わってくる。
・ショタ系

年下のかわいい少年という立場を（意識的、もしくは無意識的に）利用して寝取りに及ぶショタ。

　この中で大半を占めるのが、「ヤリチン、チャラ男系」と「権力者系」。たいていのNTRはこのどちらかのタイプの男が間男であると言ってよい。

　一方で、「ショタ系」は『妻みぐい２』『妻みぐい３』『若妻スフレ』などで見かけたが、他と比べるとやや珍しい。

●NTRの程度
・身も心も
NTRが完全に成立している。女は間男のことが好き。
・心までは許していない
女は間男の与える性的な快楽に溺れるなど、身体は間男に許してるが、心は間男の方を向いていない。女は間男のことが好きでもないでもない。
・実は身も心も許していない

一見、NTRが成立しているように見えて、実は成立していない。例えば、女が敵に捕まり犯されるシーンが挿入されその後に寝取られたようにふるまうが、重要なシーンで敵を裏切り、寝取られたように見えたのはすべて演技だったと明かして主人公の下に戻ってきてハッピーエンド、というようなタイプ。

●NTRSEXの性質

・強姦系
嫌がる相手に対して、暴力などを用いて合意なしに行われる。性犯罪。

・準強姦系

・・酩酊、睡眠系（性行為への同意なし、抗拒不能）
酒を飲ませる、睡眠薬を飲ませるなどして女側の意識を喪失させて行われる性行為。現実世界においては早稲田や慶応の学生が定期的にこれで捕まりニュースになることでおなじみ。

・・媚薬、催眠系（性行為への同意あり、一時的な心神喪失）
媚薬を盛る、催眠をかけるなどによって、女性から性行為をするように仕向けておこなわれるもの。

・・無知系
子供に対しての性行為など、相手の無知を利用して行われる。現実では13歳未満のみがこのタイプの準強姦にあたる。NTR創作上では年齢と関係なく、「性とは無縁の世界で生きてきたお嬢様」「人間社会とは一線を画した世界観を持つモンスター娘」など、13歳以上でも無知による準強姦、およびNTRが行われる。
・脅迫系
女や主人公の弱みを間男が握り、それを元に女を脅迫して性行為に及ぶタイプ。

・売春系
金銭などを目的として、女が間男に性を売る形で行われる。夫の借金を返済するために妻（女）が自発的に借金取り（間男）に対して身体を売るなど。

・和姦系

男性と女性が性行為について完全に同意したうえで行われる。NTRの創作上では、強姦系や準強姦系などから和姦系に移行することが多い。

・主人公の指示系

「主人公がNTR気質で、妻にNTRを指示する」「金銭目的で売春させる」というタイプの創作もあるが、これらはNTR（ネトラレ）でなくネトラセにあたる。ただ、「ネトラセのつもりが、本当にネトラレていた」とか、かと思えば「ネトラセのつもりが本当にネトラレていた…ように思えたが、実はネトラレていなかった」みたいなものもある。

●当事者たちがNTRに気付ているか
・主人公はNTRに気付いていない
・主人公はNTRに気付いているが、女はNTRが発覚していることに気付いていない
主人公は陰からのぞいてSEXを見ていたりするタイプ。
・主人公はNTRに気付いており、女もNTRが発覚していることに気付いている
間男が権力者で主人公に見せつけるようにNTRをしたり、といったタイプ。