2016年12月29日

ハルスベリヤ叙事詩2 雑感

クソ天使。最初、こいつのことは忠臣だと思っていたが、
某監獄島の某黄色との会話等でそうでもないことを知った。


・始める前


数多あるヴァーレントゥーガシナリオの中で、代表的な作品の一つ。

このシナリオを知ったのは一年ぐらい前だと思う。「このフリゲーがすごい2015」で、きのたけとともに何かの賞を受賞していた、ということを覚えていて、受賞作品を見た時にハルスベの存在が目に入ったのが、初めてハルスベを知ったときではないかと思う。ちなみに、きのたけとハルスベリヤ叙事詩2(以下、ハルスベ)はヴァーレンシナリオの二大巨頭ともいえる作品で、両作品ともかなりの期間を投じて作り込まれている、気合の入った作品だ。

ハルスベを最近になってやり始めようと思ったのは、ツイッターの影響だ。ツイッターでパラドゲークラスタのふぇっぷく氏、ボッシュートP、トイレスタンプ香りジェル氏がこのゲームについて言及していた。登場するキャラクターの名言をスクショ付きで紹介したり、プレイ状況をツイッターでスクショとしてアップしたり、シナリオやキャラクターについて会話していたり。そういった様子をツイッターで横から見ていると、どんなゲームなのかと気になり、プレイするに至ったわけである。

・プレイ開始後


始めてみると、正直、最初はストーリーについていけない感があった。世界観の説明をするOP説明文があるが、なにせ最初だから状況を全く把握できていない。書いてあることが意味不明で、初めてみる固有名詞やらゲームキャラの名前やらがバンバン並んでいるので困惑した。

そこで、世界観などを把握するために、とりあえず、各シナリオ勢力の説明文を読み、各シナリオの勢力図の変化を見て、戦術シナリオや戦役シナリオにある単体イベントをプレイをしてみた。本編のOPイベントも一通り見てみて、すると内政画面に世界観説明の項目があることに気づいたので、それも見た。そうするうちに、魅力的で独自な世界観に惹かれていった。

ここまで振り返ってみると、事前情報なしでこのシナリオをプレイしはじめていたら、途中で放棄していたかもしれないなぁ、と今になって思う。最初の困惑を乗り越えて続けることができたのは、ツイッターやフリゲ2015で「おもしろい」と太鼓判を押していた人たちの存在あってのもので、これからきっとおもしろくなるんだろう、という期待があったからだろう。

一旦プレイし始めてみると、世界観や各勢力のストーリー、キャラクターの言い回しに、人を惹きつけるものがあった。例えば、上位存在の跋扈であったり、蒸気連、ガルベジアなどで見えてくる地下の柱を巡るストーリーだったり、ブーランジュが民衆の英雄と化すまでのストーリーだったり、興味深いストーリーが散りばめられていた。

キャラクターも立っていた。アルシカ皇帝を支えるのか亡き者にしたいのかよく分からない泰山府の官僚、コネで派遣されてきた挙句に入信してしまうアホ官僚、パワー系だが小物でアホな黄金竜のモグモフ、謎の満ちたスフェイス卿、普通にいい人なアンカレット、正義の元汚職枢機卿などなど。魅力的なキャラクターがたくさんいた。

それに加えて、各勢力のストーリーによって、新たに世界像やキャラクターの新たな一面が明らかになっていくようになっていて、プレイヤーを飽きさせなかった。そのため、巫女連から始まり、蒸気連、アルシカ党、魔女伯、コスタ革命海軍など、大半の勢力のストーリーをEDまでかなりの時間をかけてプレイしてしまった。

VTのユニットの種類も豊富で…と、キリがないが、まぁ、この辺のストーリーやキャラクター、ユニットなどは、長い期間をかけて積み上げられてきただけあって、かなり充実していることがプレイしていて分かる。

なお、いつもプレイ中にスクショを撮りまくるのだが、ハルスベに関しては撮り逃した。正確には撮っていたつもりだが、撮れていなかった。フルスクリーンモードの何かが今使っているスクショソフトのスクショ撮りに干渉するらしい。そのため、プレイ中に撮ったスクショはみな真っ黒になっていて、どの場面で撮ったのかすら分からない状態だった。

スクショの撮り逃しには気を付けよう!

・プレイを終えて


そんなこんなで大半の勢力をプレイし終わったところでプレイを中断したのだが、後になって振り返ると、このゲームの最大のネックはやはり待ち時間だと思う。他勢力の行動待ちの時間が結構多い。勢力数やユニット数からいって、きのたけほどではないものの、それでもやはり待ち時間が多い。ただ待たされる時間というのはプレイの密度を減じるもので、無論悪い。

また、大勢が決したときからエンディングまで、作業的に攻略を進めていかなければならない作業的な攻略時間もある。もっとも、この点に関してはハルスベには「降伏コマンド」という、領土数35以上で相手を降伏させるコマンドが実装されており、この問題は軽減されているが、それでも上記の待ち時間があり、クリア寸前の状況ほどユニット数の増大により待ち時間は増しているので多少めんどうである。

これらの問題は本体VTの仕様に起因するものだ。そして、この問題点はシナリオが充実すれば充実するほど、つまり勢力やキャラクターなどのユニットが増えるほど、問題は悪化する傾向になる。VTで作成されるシナリオにはこの問題が常に付きまとう。

だから、このハルスベなんかがVTの到達点なのかな、とプレイしてみて思った。思えば、CardWirthや戦国史など、コアなシナリオ作成者が充実したシナリオを発表するベースとなるゲームは過去にそこそこあったが、今ではすっかり廃れている。VTも頂上が見えた以上、これから下り坂を下っていく、のだと思う。

きのたけやハルスベのどちらも最終更新を宣言したように、VTの終わりはみえている。ハルスベはいわば「黄金期」の作品であることは、間違いない。いつかVTが衰退した後にふと思い返された時、真っ先にその名が挙がるようなそんなメモリアルなシナリオにハルスベはなるし、私にとって、最後にプレイした大型VTシナリオにたぶんなるだろう。

VTシナリオはわりと好きだったし、絶頂期の作品をベースが旧式化する前にやれておいて良かったな、と思った。




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